参議院議長も務めたことある女優、扇千景。
そんな彼女ですが、一言では言い表せないほどの波乱万丈な人生を送ってきました。
今回はこれについて紹介していきたいと思います。
プロフィール
生年月日 1933年5月10日
出生地 兵庫県神戸市
出身校 宝塚音楽学校
職業 女優、政治家
所属政党 自由民主党→新生党→新進党→自由党→保守党→保守新党→自由民主党
称号 旭日大綬章(女性初)、桐花大綬章(女性初)
配偶者 4代目坂田藤十郎
親族 長男・4代目中村鴈治郎
次男・3代目中村扇雀
孫・中村壱太郎
孫・中村虎之介
扇は1977年、福田赳夫首相や大平正芳幹事長から参議院選挙への出馬をお願いされ、7月に行われた参議院選挙に自民党の公認候補として出馬します。
当時の参議院では全国区といって日本全国から票を得る選挙区があり、扇は自身の女優としての知名度を生かしてそこで難なく当選しました。
しかし当時もタレント議員に対する風当たりは強く、扇はなかなか要職に付けてもらえませんでした。
その後も扇は政界でキャリアを重ねていきますが、1989年の参院選で自民党は大敗し、その煽りを受けて扇は落選しました。
落選後は再び芸能活動などをしていましたが、1993年に繰り上げ当選という形で再び国会に戻ってきます。
しかし当時の自民党は下野しており、それでも全く変わろうとしない自民党に思うところがあって扇は自民党を離党して新生党に入党します。
やがて新生党は他の政党と合流して新進党を結成し、自民党と雌雄を決するために1995年の参院選に向けての準備を猛スピードで進めました。
そして1995年の参院選で新進党は自民党に勝利し、扇も難なく4期目の当選を決めました。
しかしその後に行われた衆院選の不振や党内での不和の高まりなども相まって、当選から2年後の1997年に新進党は解党を決定します。
扇は小沢一郎率いる自由党へ参加し、自自連立を機に再び与党議員になりました。
しかし自民党と自由党の関係は公明党の連立参加を機に徐々に悪化していき、2000年4月に遂に小沢一郎は連立脱退を決意します。
しかし小沢氏の側近だった二階俊博や野田毅はそれに猛反発して保守党を結成し、扇もそちらに続きます。
その後保守党の党首を話し合いで決めようとしましたが、野田毅や海部俊樹元首相と言った有力議員たちがこぞって辞退した為、扇は参院議員ながら党首に就任することになりました。
党首就任後、扇は建設大臣として初入閣を果たし、不人気にあえぐ森内閣を懸命に支えました。
当時は三宅島が段階的に噴火を初めていっており、扇は就任するや否やすぐに三宅島の全島民非難の陣頭指揮に取り掛かりました。
また当時は仙人の建設相たちがことごとく不祥事を起こしていたため公共事業に対する印象が悪く、扇は公共事業のイメージをよくするために公共工事入札契約適正化法を制定しました。
その後扇は中央省庁再編によってそのまま初代国土交通大臣に任命され、そのまま2003年まで続けました。
しかし2001年の参院選で自身しか当選できなかった責任を取って党首を辞任するなど、決して順風満帆であったというわけではありません。
その後保守新党が自民党に吸収されたことによって扇は自民党に復党を果たし、翌年には参議院議長になりました。
これは女性初の事であり、衆議院の議長も含めても二人目です。
2007年に扇は政界引退を表明し、5期にわたった政治家生活にピリオドを打ちました。
若い頃
扇は元々芸能界には興味がありませんでしたが、友人が勝手に宝塚音楽学校への願書を送付していたことを機に興味を持つようになりました。
扇はダメ元で受験をしたところ見事合格し、高校卒業後は宝塚音楽学校に入学します。
扇は宝塚歌劇団にて順調にキャリアを積み、1954年4月に「春の踊り」で初舞台を踏みました。
1956年には新人演劇賞を獲得するなど目覚ましい活躍を続けていましたが、1957年に結婚のため宝塚を辞めます。
その後1958年に中村扇雀と結婚し、その翌年には長男を出産するなどかなりあわただしい日々が続き芸能界どころではありませんでした。
しかし友人の勧めで出演したテレビドラマ「君は今何を見つめている」にて女優デビューを果たし、芸能界にカムバックしました。
現在
扇は政界引退後、失われていた時を取り戻すように夫との結婚生活を楽しんでいました。
しかし昨年11月、中村は老衰によって88年の生涯に幕を閉じました。
その偲ぶ会はコロナ禍のため1年延期されており、今年の10月28日に都内のホテルで開催されたのです。
扇は時折涙ぐみながら参列者たちにお礼を述べており、最後の務めを気丈に果たしていました。
いかがでしたか?
扇が一時落選していたことは少し意外でしたね。
友人が応募したからと言う理由で受けた宝塚音楽学校に合格できるあたり、扇の持っていたポテンシャルの高さが窺えます。
最愛の夫を亡くして辛いでしょうが、扇には末永く元気に生きてほしいものです。